コラム

インフルエンザについて

column

流行開始が早かった昨年と同様、本年度も12月初旬からインフルエンザがちらほらと発生しております。
あいにく胃腸炎も流行する時期と重なり、うちのチビも昨晩布団で何度も嘔吐し、本日は静かに寝ております。
今季はワクチン供給も少なくインフルエンザについての問い合わせも増えそうですので、チビが静かなうちにコラムを作成致しました。

 

インフルエンザの概略

インフルエンザウイルスはRNAウイルスで、A型、B型、C型がありますが、人で流行するものはA型とB型です。毎年冬季に流行し、人口の5~10%が罹患します。

潜伏期間は1~2日で、発症して3日ほど発熱が持続します。
発病して3~5日間はのどにウイルスが存在しますので、感染予防が必要です。(乳幼児では1週間以上存在することがあります)

インフルエンザと風邪の違い

両方ともウイルス感染による上気道感染ですが、インフルエンザは高熱(通常は38度以上)、頭痛、体の痛みが風邪より強くかつ急激に現れます。
注意)ご高齢の型では発熱がないか、軽度の場合もあります。成人・小児でも微熱や発熱のない症例があると報告されています。

インフルエンザウイルスと風邪(かぜ)の違い(あくまでも目安です)

インフルエンザ 風邪(かぜ)
発生期 冬季 通年
原因ウイルス インフルエンザウイルス(A型、B型) ライノウイルスなど様々
発症の様式 急激な発症 ゆっくりとした発症
発熱 通常38度以上 *微熱のこともあります 通常37度台
全身症状(だるさ等) 強い 弱い
関節、筋肉、頭の痛み 強い 弱い
鼻、咳、のどの症状 発熱の割には軽め 鼻汁、咳、のどの症状が主症状。

 

インフルエンザの経過

1~3日の潜伏期間を経て高熱、倦怠感、体の痛み、頭痛などが急激に発症し3日ほど継続します。
その後、軽快しますが咳や鼻症状が1週間ほど継続することがあります。

インフルエンザ感染後の経過

診断

外来ではインフルエンザ抗原検出迅速検査が行われます。
インフルエンザA、B型それぞれの核タンパクをイムノクロマトグラフィー法により検出します。
感度は約80%以上で有効ですが、以下の場合感度が低下し、ウイルスが存在しても陰性になる(偽陰性と呼びます)ことがあり注意が必要です。

 ・発症6~12時間以内の初期(ウイルス量が少ないため)
 ・発症5日後(ウイルス量が減少するため)
 ・ワクチンを接種している方
 ・鼻汁が少ない場合等、採取上の問題

治療法

インフルエンザは風邪と同様、ウイルスによる感冒の一種ですので、休養と解熱鎮痛剤などの対症療法での対応が可能ですが、雑多な風邪と違い、抗ウイルス剤があります。

・抗インフルエンザ薬
発症2日以内の投与が有効です。
服用することにより症状の緩和や、1~2日の発熱期間短縮が得られます。またウイルス量の低下により 他の方への感染抑制効果も期待できます。
高齢者や妊婦などリスクのある方には重症化回避のため投与が有効です。

・対症療法 解熱鎮痛剤
発熱はウイルスに対する正常反応ですので無暗に下げることは無意味です。
しかし、高熱や、頭痛、体の痛みはストレスとなりますので、つらい時に適時使用されます。

・対症療法 その他の薬
咳、鼻漏などの症状が強ければ咳止め、去痰剤、抗ヒスタミン剤などが処方されます。

・抗生物質
原則処方されませんが、高齢な方の場合は肺炎が合併することがありますので状況により検討されることがあります。

・漢方
発熱緩和や、ウイルス増殖を抑制する効果があるもの(麻黄湯など)があります。

当院における今季インフルエンザの治療方針

Treatment policy

1.インフルエンザの予防に努めます。

できるだけ多くの方々がワクチンを接種できるよう、特にお子様については2度の接種のご負担が減らせるよう努めていますが、今季のワクチン供給量の減少によりやむなく接種を制限しております。
ワクチン供給量は12月後半には増えるとの情報もありますが、今季の流行が早めに始まっております。接種後2週間で免疫がつくこと、その間にインフルエンザに感染してもワクチン接種が症状を悪化させないという事をご理解頂ければ12月後半以降でも積極的にワクチンを接種致します。
ワクチン接種のほか、「接触感染」を防ぐための手洗い、「飛沫感染」を起こさないためのマスク着用も有効です。

2.当院で使用している迅速診断キットは感染3時間後でも検出されるとのカタログデータがありますが、実際には検出されない症例が多々あると推察されます。

抗インフルエンザ薬(イナビルなど)は発症48時間以内の投与が有効な事、薬自体に実際の副作用がほとんどないことを考慮し、身近の方からの感染が否定できない場合も考慮して慎重に抗ウイルス剤を提案します。健康でリスクの低い方には抗インフルエンザ薬以外に、解熱鎮痛剤単独や漢方薬、もしくは経過観察など、ご納得できる治療法を提案します。

3.インフルエンザは症状の強い風邪と見ることができ、過度の心配は無用ですが、重症化するリスクも少なからずあるため、以下の方々及び合併症に十分な配慮をし、来院時には適時ご説明します。

・幼児、高齢者、妊婦の方
患者様に合わせて適切なご説明に努めます。

・呼吸障害(肺炎、呼吸不全)の発生
喘息、COPDなどの肺疾患を持っている方や、高齢者で心配のある方には胸部レントゲン、酸素飽和度の測定を行います。肺炎・気管支炎のリスクがある場合は抗生物質の併用を検討します。肺炎球菌による肺炎の合併が問題となるため、ワクチン接種を年間を通じて適案しております。

・脳症・Reye症候群の発生
幼児の方にリスクがあります。鎮痛剤はアセトアミノフェンを使用し、NSAIDs系(ロキソニンなど)の鎮痛剤は使用しません。迅速に専門医療機関に紹介しますが、けいれんなどの緊急対応も想定してます。

・新型インフルエンザ等の発生
インフルエンザの治療は定型化されており、ある意味通常の風邪より診察は単純です。しかしウイルスは変異しやすく常に予測できないウイルスの発生を想定すべきと思っております。鳥インフルエンザ(H7N9)は致死性がありますが、人・人の感染は稀で殆どは中国国内の発生です。しかし、過去には1918~1919年のスペイン風邪(インフルエンザA型(H1N1))の世界的被害もあったため、医療現場では常に情報収集をすべきと考えております。

 

以上、ご説明します。長くなってしまいました。
インフルエンザは感冒(かぜ)の一種類ですので過度の心配は無用です。
しかし、国際化などの社会状況の変化もあり、医療を提供する立場としては油断はできないと、駅前の小さな診療所ではありますが日々考えております。
12月1日以降、ワクチンが不足しておりますが、皆様手洗いにつとめ、ご自愛ください。

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午前 9:00-12:30  午後 15:00-18:15
▲:予約検査のみ
休診日:木/土曜午後・日祝日(木曜午前は予約検査のみ)

検査時間は診察時に相談して、できるだけご要望のお時間で行います。冬季は緊急を除き予約のない方への超音波検査はできません。当日ご希望の方は事前にお電話でお問い合わせください。

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